大阪大学 工学部 編入学試験

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受験者数等

正確には記憶していませんが、電気電子が 15 名、情報通信が 25 名程出願していました。僕は情報通信を志望しました。

当日の試験内容

英語

まずは英語です。
試験時間は 90 分。

・大問 1  : 長文読解
この大問は後回しにしました。試験終了まで残り 20 分ほどで、ようやくこの大問にたどり着きましたが、間に合わないと思いました。しかし、意外と該当箇所はすぐに把握できて、適当ですが一応全ての問いにそれなりの答えを記入できました。

・大問 2  : 英文和訳
簡単でした。分量が多く時間を浪費してしまいましたが、それほど大きく減点されていないと思います。

・大問 3  : 英作文
それほど難しくありませんでした。時間がとにかくなかったので、不自然な表現を用いてそれを修正できずに終わってしまったので、本来とれたはずの点数より低くなってしまっていると思います。

・大問 4  : 空欄補充

せっかくネクステージのイディオムを 4 日で全て暗記したのに、分からないものが複数個出題されてショックでした。おそらく 2 ミス(5 問中)だと思います。例年より難しいと感じました。

・大問 5  : 正誤判定

概ね例年通りでした。時間が余ったら考えようと思って空欄を一つ作っていたのですが、その空欄を埋め忘れて 1 ミス(5 問中)です。

- 英語のまとめ -

例年より少し難しかったように感じました。

とにかく英語は時間が足りなかったため、時間配分の特訓をもっとしていればよかったなと思いました。
5 ~ 7 割程度 

数学

次に数学。
試験時間は 120 分。

・大問 1  : 行列
(1) と (2) は基礎的な正則判定でした。行列式を求めればよいです。(3) の証明がおそらく今回の数学の問題の中で最も難しい問題だったと思います。僕なりにたくさん書いたし結論は合ってたので、部分点くださ~い(お祈り)。

・大問 2  : 連立微分方程式
前日に偏微分方程式か連立微分方程式のどちらかが出ると山を張っていたのが当たりました。といっても連立微分方程式の方は簡単です。「こういうのは加減法で片方の変数を潰して、再度与式に代入したら普通の二階の微分方程式になるんだよな~(典型)。」って言いながら解きました。数学が得意な友人と答えが一致したので合ってそう。

・大問 3  : 複素
(1) は複素関数の方程式を解くやつで、これは例題レベルでした。(2) は阪大工学部が大好きな正則判定。コーシー・リーマンのやつを使えばいいです。(3) はローラン展開でした。とりあえず無限等比級数の和の公式を使いました。

・大問 4  : 確率統計

ちょうど学校の定期テストでやったばかりの内容であって、さらにそのテスト内容の下位互換のような内容だったため、全部楽に解けました。テスト後に約分を忘れたことに気づき大笑いしました。約分で差をつけろ。

- 数学のまとめ -
全てどこかのワークで見たことがあるような安心感のある内容だったので、穏やかな精神で解くことができました。
9.5 割程度

専門科目

最後に専門科目です。

「物理(力学,熱学,波動)」「電磁気学」「電気電子回路」「コンピュータ工学(ハードウェア及びプログラミング)」の 4 科目の中から 2 科目を出願時に選択します。

僕は物理とコンピュータ工学を選択しました。

試験時間は 90 分。

・物理

・大問 1  : 力学

とにかく問題が多かったです。力学的エネルギー保存則と運動量保存則、さらに円運動、単振動、そして剛体とかなり様々なバリエーションの問題が出題され、解いていて楽しかったです。間に合わないと踏んで始めから 2 問捨ててそれ以外を合わせるという方針を取りました。作戦通り書いたところは正答であると思います。 

・大問 2  : 波動

とにかく問題が多かったです。前半は光ファイバー的な系で、屈折や全反射(臨界角)等が要求されました。似たような問題を解いたことがあって、それと答えが途中途中一致したのでかなりできたと思います。後半はプリズムでこれが鬼畜でした。波動の知識はあまり必要なくて、作図ゲーです。「幾何かよ!!」って言いながら解きました。それなりの自信のある回答は書けましたが、いくつかは間違っていると思います。

 

・コンピュータ工学

・大問 1  : ディジタル電子回路

いつもどおりカルノー図を書きました。 

・大問 2  : プログラミング(C 言語)

木。

- 専門科目のまとめ -
コンピュータ工学はとても簡単でした。物理は時間さえあれば解けるのに時間が足りませんでした。物理はかなり訓練したつもりでしたが、まだ足りなかったということですね。
8 ~ 8.5 割程度(物理 : 7 ~ 8 割、コンピュータ工学 : 10 割)

面接

・志望理由

・行きたい研究室

・自分の卒業研究の内容(6~7個くらいこれに関して質問をしてくださいました。)

・他の志望校等

自分がおしゃべりなのもあって、いちいち熱弁してしまったため、面接は少し長かったかもしれません。面接官の方々が僕の発言にしっかりと耳を傾けてくださって、理解しようとしてくださっている姿勢がすごく嬉しかったです。また、面接官の方から「仮に合格になったら来てくれるの?」みたいなことを聞かれて、よっしゃこれは合格のパターンや!と思っていましたが、みんな似たようなことを聞かれていたので、あまり関係なかったかもしれません。

出題傾向、難易度感等

英語

大問 1 は長文読解、大問 2 は英文和訳、大問 3 は英作文、大問 4 は空欄補充、大問 5 は正誤判定です。工学部の英語では、本文で用いられる難しい英単語の注釈が与えられるので、要求される語彙力は低めです。また、英文和訳、英作文ともにそれほど難易度は高くないので、得点源になり得ると思います。空欄補充は next stage のイディオムでは足りなかったので、他にも様々な本を用いた方がよさそうです。

数学

比較的簡単ですが、とにかく出題範囲が広いです。まさに広く浅くというイメージ。多くのワークを手に取り、とにかく幅広く勉強する必要がありそうです。また、近年では確率統計が連続で出題されているので、力を入れて勉強した方が良いかもしれません。それほど難易度が高すぎるわけではないので、数学ではあまり差がつかないと思います。

専門科目

僕が選択した物理とコンピュータ工学に関してのみ記述します。

物理は原則、(力学) + (波動、熱力学の内一つ) という構成です。力学は力学的エネルギー保存則、運動量保存則、単振動あたりがよく出題されます。波動は正直よくわかりません。熱力学はサイクルが多いイメージですが、過去にはエントロピーを絡めた問題も出題されたことがあるそうなので、熱力学第一法則周辺の基本公式からエントロピーまで、しっかりと抑えておいた方がよさそうです。また、気体分子運動論も出題されます。

コンピュータ工学はディジタル電子回路とプログラミングから構成されます。

ディジタル電子回路は 2 進数周辺の基礎知識(基数変換、補数等)、カルノー図、順序回路がよく出題されます。フリップフロップも基礎回路程度なら把握しておきましょう。プログラミングは僕は対策をしていないのでわかりません。ソートの名称とそのアルゴリズムは覚えておいた方が良いと思います。「プログラミング経験(特に競技プログラミングの経験)は編入試験に役に立ちますか?」という質問をいただきましたが、答えは Yes です。プログラミング経験が多少ある人ならば、コンピュータ工学のプログラミングに関しては何もしなくても満点近くを取れると思います。

まとめ

合格しました。嬉しい。前回の記事にある通り、基礎工学部に不合格となり、そこから一か月しか対策期間がなかったので、合格しないと思ってましたが、意外にもちゃんと仕上がって良かったです。また、大阪大学工学部は募集要項を見ればわかりますが、英語の配点が少し小さく、調査書の配点が大きめです。僕は成績が良かったため、おそらく調査書点でも殴れたんだと思います。成績が良い人が阪大工学部を受験してみることをお勧めします。

最後に、基礎工学部に落ちてからの一か月で新しく学んだことを箇条書きでまとめておきます。

 

- 英語 -

・イディオム 400 個の暗記

・ドラゴンイングリッシュの基本例文を新たに 80 個暗記

・正誤判定の問題集を 60 % 程(計 300 ~ 400 問程度?)

・過去問を 4 年分

 

- 数学 -

編入範囲の全ての複素関数論を一から

・確率統計を一から(スチューデント分布や検定まで)

・ラブラス変換やフーリエ級数展開フーリエ変換を一から

・ベクトル解析を一から

微分方程式(連立微分方程式偏微分方程式、変数変換を求められる微分方程式、完全微分方程式

・過去問を 3 年分

 

- 専門科目 -

・物理のワークを 2 冊

・ディジタル電子回路の参考書を一冊(基数変換、補数、ブールの諸定理、カルノー図、クワインマクラスキー法、フリップフロップ、同期式や非同期式のカウンタ回路、順序回路)

・過去問を 5、6 年分